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北浦和の整体。Same page(同じ絵)。

2020/01/13
北浦和の整体。Same page(同じ絵)。

昨年11月まで行われていたラグビーワールドカップ2019日本大会。一時リーグ予選プールAの最終戦は、”日本対スコットランド” の試合でした。結果は日本が28ー21で勝利し、見事に首位で突破しました。

 

前半、日本が20点以上リードをした時、まだ一抹の不安が残りました。後半の最初、福岡選手が相手のボールをジャッカル。そのままゴールに駆け込みました。これで日本の勝利を確信した人は多かったと思います。この時、スコットランドチームのコーチは、「これで日本チームに勝てるかもしれない」 と感じたそうです。

 

理由は単純明快。福岡選手にジャッカルされましたが、この時、スコットランドチームの攻撃体制に日本チームの防御人数が足りてなかったのです。もし、ジャッカルされなかったらトライが取れたはずでした。「このまま攻撃姿勢を取り続けたら、必ずトライを取れる。日本チームに追いつくことは可能だ。」 そう感じたそうです。

 

さすが、世界の強豪チーム。その感覚は見事というしかありません。現実にその後、スコットランドは、一気にトライを量産。ワントライ・ワンゴール7点差まで日本に追いついてきました。

 

残り時間は25分。逆転するには十分な時間が残っています。ここからの25分間の攻防戦。日本ラグビーの歴史に残る息詰まる戦いでした。

 

日本代表チームの長谷川スクラムコーチが、「過去の日本チームの最大の弱点は、ラスト25分。いつもこの25分でやられていた。今回も同じかなという不安がよぎった」 と言っています。”ラスト25分” これは日本のラグビー関係者すべてが語る日本の最大の弱点でした。

 

日本チームの作戦コーチ、トニー・ブラウンは、「前半の攻撃は、作戦通り。しかし、ラグビーという競技は、攻撃を繰り返すことで、防御をするより体力を消耗する。前半、攻撃がうまくいき過ぎて、後半体力がもつかなという不安があった」 と語っています。

 

日本チームを誰よりもよく知る二人のコーチの予感は現実のものとなり、日本チームは逆転の瀬戸際に立たされました。残り25分。日本ラグビーの存亡を賭けた死闘が展開されました。

 

この試合の感想を聞かれた日本チームの選手たちは、口々に ”同じ絵を見る” という言葉を出しています。それが最も具現化されたシーンが前半の福岡選手のトライでした。この試合、日本チームはキック攻撃を封印し、パス攻撃に重点を置いていました。作戦コーチ、トニー・ブラウンの作戦は、相手が警戒しているキック攻撃を封印。日本チームの得意技である早いパス攻撃で攻め続けました。

 

この背景があるため、相手はパス攻撃を注意せざるを得なくなりました。福岡選手がトライシーンでは、攻撃する日本のチームが防御するスコットランドチームより多くなっていました。そのため、通常はキック攻撃に備えて後ろに残っていた選手が、防御のために出ざるを得なくなりました。

 

これを見た日本チームのラファエロ選手は、パスではなく、グラバーキック(転がすキック)をチョイス。隣りにいた福岡選手は、その攻撃にすぐ反応。前に飛び出し、ボールをキャッチ。トライに結びつけました。

 

このトライシーン。ラファエロ選手の判断に福岡選手の飛び出しが一瞬でも遅れたら、トライはありませんでした。全力で走り続けるラグビー競技。しかも楕円球。どちらに跳ねるかわかりません。一瞬の判断の遅れが致命傷になります。ラファエロ選手の判断と同じ判断をしていた福岡選手は、何の躊躇もなく前に飛び出し、見事にボールをキャッチ。トライへと。

 

こういう風に同じ判断をすることを、選手たちは ”On the same page(同じ絵を見る)” と表現します。

 

今回の日本チーム。31人中外国人が18人。文字通りの多国籍軍。生まれも違えば、言葉も違う。風習も違えば、性格も違う。日常生活も違えば、食生活も違う。そういう彼らが ”同じ絵を見る” ことは、言うのは簡単ですが、そう簡単にできることではありません。肉体的努力だけでなく、お互いをわかり合い、疑問を話し合う、相当な努力が必要になります。

 

日本チームのスローガン ”ONE TEAM” が流行語になりましたが、”ONE TEAM” になるためには、どれだけのぶつかり合いと、どれだけの話し合いがあったのか。想像するだけで気が遠くなります。それでも彼らは異口同音に ”同じ絵を見る” と語ります。

 

ところが、後半、スコットランドに追い上げられた時、彼らの ”同じ絵を見る” に微妙な狂いが生じていました。SF田中選手とSO田村選手のゲーム観にそれが表れていました。SF田中選手は、球出しを多少遅らせ気味に試合コントロールしていました。相手の勢いを削いで、日本チームの立ち直りを図るための時間を稼ぎました。SO田村選手は、球出しを速くして、トライを取って試合を決めようと考えていました。こういう微妙な違いは、チームの調子を狂わせます。

 

ところが、それを一気に変えるビッグプレーが出ました。相手の攻撃中、福岡選手が、イチかバチか相手のパスのインターセプトを試みました。これが不発に終わると、相手のトライは確実になり、同点に追いつかれていました。もし同点に追いつかれていたら、おそらく勢いはスコットランドに移り、日本は負けていた可能性が高かったでしょう。それでも福岡選手は挑戦しました。

 

このプレーが、日本チームの追い詰められた空気を変えました。ラグビーのような集団競技では、チームを覆う ”空気” は、勝敗を分ける大きな要素。日本チームを覆っていた ”沈滞した空気” が薄れ、 ”攻めのディフェンス” に変化しました。相手の攻撃に押され、ただ守るだけのディフェンスから、相手の攻撃を読み、積極的に相手の攻撃を撃破する ”攻めのディフェンス” に変わりました。

 

これが残り25分、スコットランドの猛攻を耐えた最大の要因でした。当然ながら、観客の声援も日本チームを後押ししたことは間違いありません。

 

ラグビー日本チームのように ”同じ絵を見る” ことは難しいです。そのためには、それこそ殴り合いも辞さない徹底的な話し合いしかありません。それができるためには条件が必要です。日本チームの選手たちにはそれがありました。きわめてシンプル。”ラグビーが大好き” という心。”ラグビーを極めたい” という探求心。彼らにはこれがあったのです。

 

北浦和のスポーツ整体、カイロのボディブラでは、同じ絵を見るためにチームメイトと本気でぶつかり合うラガーマンの方にも、適切な施術、ボディケアを行なっていきます。